こんにちは、節税会計士のタッキーです。
本日のテーマは財務三表です。
会計に馴染みのない方にもわかるように、
重要な点に絞って、出来るだけ簡潔にまとめてお話していきます。
財務三表、なんとなく聞いたことはある、
一般常識みたいだから勉強しないといけないと思っていても
「勉強する時間がない」
あるいは勉強する時間があったとしても
「難しそう」
と思ったりして、
なかなか勉強できないという方も
多いのではないでしょうか?
この動画を見ると、
なかなか勉強が出来なかった財務三表について、
1本の動画を見るだけで概要が理解出来ます。
まず結論ですが、
財務3表とは、
財務諸表(よく決算書と言われているもの)のうち、
特に重要な次の3つのことを言います。
具体的には、
貸借対照表、損益計算書、
キャッシュフロー計算書
の3つのことです。
【一般常識】
財務諸表はビジネスマンなら、
知っておきたいビジネスの基本と言われています。
【サラリーマン】
サラリーマンの方は
自分の会社の財務諸表を読めないと、
自分の会社の将来性が分かりません。
もし将来性がない会社であるならば、
一刻も早く転職活動をする必要があるかもしれません。
逆に将来性のあるビジネスをしている会社なら、
今の会社で働くモチベーションもアップするかもしれません。
【就活生】
次にこれから就活をしたり、今まさに就活中の方は、
目標の企業の将来性が分かります。
ネームバリューに騙されて、
泥舟に乗る危険性を減らせることができます。
【経営者】
また、経営者や事業者の方は
ご自身のビジネスの状況を正しく判断でき、
今後の意思決定などに活かすことも出来ます。
【投資家】
また個別企業への投資、特に長期投資を考えている方は、
その企業が将来にわたって成長する企業かどうかを
見極めることが出来るようになります。
このようにどのような方であっても、
財務諸表をよめるようになることはメリットが大きいです。
ぜひ最後までこの動画をご覧頂き、
財務諸表の概要を理解するお役に立てれば嬉しいです。
このチャンネルではアニメーションで
ビジネスや税金に関する話をしています。
ビジネスや税金でちょっと得する情報を解説しているので、
ぜひチャンネル登録をよろしくおねがいします。
財務諸表とは企業の成績表です。
その企業がビジネスを行った結果、
今は儲かってるの?
どんな状態なの?
ということを発表するための
成績表です。
例えば上場企業では金融商品取引法という法律で
貸借対照表、損益計算書、
キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書
などの作成・提出が求められています。
そしてこの中でも特に重要な
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
の3つのことをあわせて、財務3表とよんだりします。
ここからはこの財務3表について、
一つずつ解説していきます。
【一番親しみやすい?】
まず最初に損益計算書についてお話します。
損益計算書は、財務諸表について詳しく知らなくても
一番親しみやすく、理解しやすいです。
【売上◯億円!赤字に転落!】
よくニュースなどで
「〇〇株式会社が売上なん億円突破!」または
「◯億円の赤字に転落した」
なんてニュースを聞いたりしませんか?
これらのニュースで聞く売上や、
赤字になったかどうかなどの情報は
損益計算書を見ると分かります。
【PLと略される】
損益計算書は英語では
プロフィット&ロスステートメントといい、
PLと略して表示されることがあります。
【儲かってる?損している?】
先程のニュースでも取り上げたように、
損益計算、PLの役割は
その企業が儲かったのか?
損したのか?
を表すことです。
【PLに記載されている項目】
【売上】
次に損益計算書に記載されている項目について
ここからはお話していきます。
損益計算書は一番上に売上が表示され、
そこからいろんな項目を足し引きをして、
最終的な儲けを表示します。
【売上原価】
売上のすぐ下に表示されるのは
売上原価という項目です。
これは、
商品を仕入れて販売している企業であれば、
商品を仕入れるために使った費用。
メーカーなどのように
製品を作って販売している企業であれば、
製品を作るためにかかったコストのことです。
【売上総利益】
そして売上から
この売上原価を差し引いた金額のことを
売上総利益と言います。
粗利(あらり)や粗利益(あらりえき)
と言われたりもします。
【販管費】
次に商品を仕入れたり製品を作るためには、
店舗や事務所が必要です。
そのため家賃を支払う必要がありますし、
お店や工場で働くひとや、
商品や製品を販売する営業マンに対して
お給料を払う必要があります。
このように会社がその本業を行うためにかかる経費は
販売費および一般管理費、
略して販管費と呼ばれます。
【営業利益(損失)】
売上総利益からこの販管費を差し引いた金額を
プラスの場合は営業利益、
マイナスの場合は営業損失といいます。
この項目は、その会社が
本業でどれくらい儲けているかを表しています。
【営業外損益】
次に会社は本業以外でも、
お金が増えたり減ったりします。
例えばお金を借りていれば
利息の支払があります。
株式投資をしていれば、
配当金の受取もあったりします。
このような主に財テクなどの
本業とは関係ない項目でどれくらい
儲かったり損したかを表すのが
営業外損益という項目です。
【経常利益(損失)】
そしてその営業外損益を足し引きした金額が
プラスであれば経常利益
マイナスであれば経常損失といいます。
【特別損益】
次に企業は長い間活動していると、
いつもは起こらないことが起きることがあります。
例えば大規模なリストラを行ったり、
誰かに訴えられて、
多額の損害賠償金の支払が生じたりすることがあります。
このような普段は起こらない項目については
特別損益として損益計算書では表示されます。
【法人税等】
最後に本業や本業以外の儲けや損も全て含めて
支払うべき税金を計算して支払い
【当期純利益(純損失)】
最後に残った金額が
プラスであれば当期純利益
マイナスであれば当期純損失
として損益計算書で表示されます。
【たいしゃく】
次に貸借対照表についてお話します。
たまに「ちんしゃく」と
間違えて読まれることがありますが
「たいしゃく」が正しい読み方です。
【BSって略される】
実務の現場などではよく
BSと略して呼ばれたり表記されたりします。
BSとは、バランスシートの略です。
【会社の持ち物】
貸借対照表の役割は、
「会社がどんな物を持っているか、
そしてその資金の出どころはどこか?」
を表すことです。
【お金】
事業、ビジネスを行うためには
お金が必要です。
【材料】
メーカーであれば材料を買ったり、
その材料を加工する工場も必要です。
【借金・株式発行】
そして工場の建設などは多額のお金が必要なので、
今まで儲けたお金では足りない場合もあります。
そのような場合は銀行から借金をする必要があったり、
場合によっては株式を発行して資金を調達することもあります。
このようなことは貸借対照表を見ることで
理解することが出来ます。
【BSの図解】
【資産】
貸借対照表はよく、
左と右に分けた図で説明されます。
左には資産といって会社の持ち物が表示されます。
先程の例だと、現金や工場などです。
【負債】
右上には負債といって、
主に会社が借りているお金など、
将来会社が返さないといけないものが表示されています。
例えば借入金などで、
この部分は銀行など
会社にお金を貸している人の持ち物の分とも言えます。
【純資産】
最後に右下の部分、
この部分は資産ー負債の金額となり、
純資産といいます。
会社の持ち物から、
銀行などのお金を貸している人の分を
差し引いた金額となり
この中から株主への配当も行われます。
つまり純資産は株主の持ち物ということが出来ます。
【資産(流動資産)】
【現金預金】
ここからは貸借対照表について
さらに詳しく解説していきます。
貸借対照表の左側のことを資産の部といい、
一番上には流動資産というものが表示されます。
ここには主に、
資産の中でもすぐに現金に変わるものが
表示されます。
まずは現金そのものである、
現金預金が流動資産の一番上に表示されます。
【売掛金】
次に売掛金といって、
商品やサービスを提供は完了しているけど、
まだ支払いがされていないものが表示されます。
【材料】【商品】
他には製品を作るための材料や、
倉庫や店舗に残っている商品などが表示されます。
【資産(固定資産)】
資産の部には流動資産以外にも、
固定資産というものも表示されます。
これは主にすぐにはお金には変えられず、
長い期間にわたって利用される会社の持ち物です。
【土地】【建物】【車】【機械装置】
例えば土地や建物、
車や機械装置などがあります。
機械装置といっても工場で使う大げさものだけでなく、
パソコンなども機械に含めて表示されます。
【負債(流動負債)】※左半分
次に貸借対照表の右側、
負債の部についてお話します。
負債の部のうち上半分は
流動負債といって、
主にすぐに支払をしないといけないものが
表示されます。
【買掛金】
例えば買掛金といって
商品を仕入れたり材料をもらったけど、
まだ代金の支払が済んでいないもの。
【短期借入金】
短期借入金といって、
借金のうち1年以内に
返済しないといけないものがあります。
【固定負債】
流動負債の次は固定負債といって、
すぐに返済や支払を行う必要はないけど、
将来、長期的に返済や支払が必要な項目が
ここに表示されます。
【長期借入金】
例えば長期借入金といって、
借入金のうち1年を過ぎた後に
返済が必要となるもの。
【退職給付引当金】
また退職給付引当金という項目もあったりします。
退職給付引当金を簡単に説明すると、
いま勤めている従業員は
将来退職時に退職金をもらう権利があります。
逆に企業側からすると将来従業員が退職する時には
退職金という大きな支払をする義務があります。
この将来の支払い義務について、
退職給付引当金という名前で固定負債に表示されます。
【純資産】
【会社の資産ー会社の負債】
次に純資産の部について説明します。
純資産の部とは貸借対照表の資産から負債を引いた金額となります。
資産つまり会社の持ち物から、
負債つまり銀行などへの支払が必要なものを
差し引いた部分が純資産となります。
【ここから配当などを行う】【株主の持ち物】
株主に対する配当はこの純資産の中から行われ、
純資産は株主の持ち物といえます。
【会社のお金の流れ】
次にキャッシュフロー計算書についてお話します。
キャッシュフロー計算書は、
会社のお金の流れについて書かれた書類です。
【黒字倒産】
ここで黒字倒産って聞いたことありますか?
黒字倒産とはさきほどお話した
損益計算書では儲かっていたのに、
お金がなくなって倒産してしまうことです。
【売上・経費のタイミング】
実は損益計算書で売上が計上されるタイミングは、
お金が入金されたタイミングではありません。
どれだけ売上があがっても、
実際に入金が行われなければお金は増えません。
また費用が計上されるタイミングも
実際にお金を支払うタイミングとはずれていたりします。
【儲けとは関係なくお金は増減する】
さらに売上や費用の発生などの
儲けとは関係ないところでもお金は増減します。
例えば、
銀行からお金を借り入れるとお金は増えます。
逆にお金を返済していれば、
てもとの現金は減ることになります。
さらに損益計算書をみたら
儲けが出ていて順調そうに見えた。
でも実は
お客さんからお金が回収できていないので
お金は足りなくなって実際は火の車。
そんなこともあります。
【お金の増減理由を知るために必要】
それじゃあ貸借対照表の現金を見て、
現金が増えているから大丈夫!と思っても
実は本業で稼いで現金が増えたのではなく、
お金が足りなくなって困って借金をたくさんした結果、
現金が増えていることもあります。
このように
貸借対照表や損益計算書からは読み取りにくい、
お金の増減理由が表示されているのが
キャッシュフロー計算書です。
【CFやCSと略されるよ】
キャッシュフロー計算書は、
キャッシュフローを略してCFとしたり、
キャッシュフローステートメントを略して、
CSと表示されたりします。
【キャッシュフロー計算書の項目】
それではキャッシュフロー計算書に
実際に表示されている項目について説明していきます。
キャッシュフロー計算書は大きく、
3つの項目に分けて表示されます。
【営業CF】
1つ目が営業活動によるキャッシュフローです。
営業活動によるキャッシュフローとは名前の通り、
その会社の本業での現金の増減を示したものです。
売上代金の回収、給料や家賃の支払など、
その会社の本業の活動により現金がどれくらい増減したか
を示すのが営業活動によるキャッシュフローです。
基本的にはここがプラスであれば本業は順調です。
ここがマイナスの場合、
スタートアップなどの一部の例外を除いて良い状況とは言えません。
【投資活動によるCF】
次に投資活動によるキャッシュフローという項目が
キャッシュフロー計算書上にはあります。
これは名前の通り、
企業の投資に関するお金の増減を表示したものです。
企業は将来の利益の獲得のために、
工場を建設したり、
業務提携のために他の企業の株式を購入したり、
逆に提携解消に伴い株式を売却したりします。
【投資ー】
この項目がマイナスの場合、
確かに現金は減ってはいますが、
将来の利益獲得のために積極的に投資を行っている
といえます。
【投資+】
逆にプラスの場合、
積極的な投資を行っておらずむしろ撤退しており、
あまりうまくいっていない状態の場合も多いです。
この項目は単純な現金の増減ではなく、
その増減の理由までを考慮することが重要です。
【財務活動によるCF】
最後に財務活動によるCFがあります。
さきほどの営業活動や投資活動をささえるために、
資金調達を行ったり、その返済を行った増減が
この項目に表示されます。
【財務+】
資金調達を行うと
財務活動によるキャッシュフローがプラスになります。
積極的な投資を行うために資金調達を行っているのか、
本業の調子がよくなくその穴埋めで借入れを行っているのか。
そのどちらなのかを見極めることが必要です。
【財務ー】
一方、借入れの返済などの方が多い場合は
財務活動によるキャッシュフローはマイナスとなります。
それでは本日のまとめです。
本日は財務3表として財務諸表のうち
特に重要な3つについてお話しました。
まず最初に損益計算書についてお話しました。
損益計算書は略してPLともよばれ、
会社が儲かっているのかどうか、
を表しています。
「売上◯億円突破!」
「◯億円の赤字に転落」
などの上場企業に関するニュースを見た時は、
損益計算書を確認すると
より詳しい内容を把握することが出来ます。
次に貸借対照表についてお話しました。
たまに「ちんしゃく」と間違えたりされますが
ただしくは「たいしゃく」なので読み方には注意して下さい。
貸借対照表はBSと略して表記されたりします。
貸借対照表の役割は
「会社がどんな物を持っているか、
そしてその資金の出どころはどこか?」
を表すことです。
貸借対照表の左側には
会社持ち物である資産が掲載され、
右上には借入金などの負債が表示されます。
そして資産から負債を差し引いた金額は
純資産として貸借対照表の右下に表示されます。
会社の持ち物から、
銀行などのお金を貸している人の分を
差し引いた金額となり
この中から株主への配当も行われます。
純資産は会社の資産のうち、
株主の分といえます。
最後に財務3表の3つ目、
キャッシュフロー計算書についてお話しました。
キャッシュフロー計算書は
会社のお金の増減理由を説明するための書類です。
損益計算書で儲けが出ていても
黒字倒産する企業はたくさんあります。
また貸借対照表の現金が増えていたとしても、
それが本業の儲けのおかげで増えたとは限りません。
実は本業で大赤字になってしまって
資金繰りが厳しくなったので、
大量に借金をした結果一時的に現金が増えた。
なんてこともあります。
このように
損益計算書や貸借対照表では分からない
現金の増減の理由でも、
キャッシュフロー計算書を見れば
理解することが出来ます。
今まで財務諸表なんて見たことない!
という方は
まずは自分の身近な会社や事業から、
財務諸表を見てみるのがおすすめです。
経営者や事業主の方は
自分の会社や事業の財務諸表を。
サラリーマンの方は
自分が勤めている会社の財務諸表を。
就活中の方やこれから就活を行う方は、
希望する企業の財務諸表を。
個別企業に投資を考えている投資家の方は、
投資対象の財務諸表をまずは見てみて下さい。
他にも自分がよく使っている商品を
販売している会社の財務諸表を見てみると、
その会社の意外な一面を発見出来るかもしれません。
今回の動画は以上になります。
役に立ったよ!面白かった!という方は、
ぜひ、いいね、コメント、チャンネル登録を
宜しくお願い致します。
今回も最後までご視聴頂き、ありがとうございました!
公認会計士・税理士
節税会計士タッキー
大学在学中に公認会計士2次試験に合格。 BIG4と呼ばれる日本で最大手の監査法人に3年間勤務。 独立後はプログラミングを独学で勉強し、 ヤフー・アマゾン・楽天の商品の価格を比較する、 価格比較サイトを約10年にわたり運営。 現在では 「会計士・税理士としての会計税務の知識」と 「価格比較サイトを立ち上げ、 個人事業主と法人の両方で事業を行った経験」 をもとに、 父の会計事務所でも働きながら、 主に以下の事業を行っている。 ・税務コンサルティング ・社会保険料コンサルティング ・ウェブ集客コンサルティング 趣味は、ピアノ、筋トレ、プログラミング、短眠。 6歳年上の妻、小学生の娘、息子がいる。
コメントフォーム