こんにちは、節税会計士のタッキーです。
本日は「税務調査で狙われやすい法人の特徴11選!」
についてお話します。
事業をはじめてまだ税務調査を受けたことはないけど、
税務調査って怖そう、申告が間違ってたら逮捕されるの?
どんな人が税務調査で狙われやすいの?
と疑問に思っている人も多いと思います。
今回の動画を見ると、
どんな法人が税務調査で狙われやすいのか、
理解することが出来ます。
まずいきなり結論ですが、
税務調査で狙われる法人は、
税務署がみて、怪しい!つまり
ここは税金が取れそう!と思ったところです。
税務署も人件費をかけて税務調査をする以上、
調査をしたのに何もなかった、というのは避けたく
できれば税務調査で何らかの成果をあげたいと考えています。
今回の記事では税務署に
どんな特徴があると怪しいと思われるのか
11個の具体例をあげて解説していきます。
国税庁は法人税等の調査実績の概要というのを発表しています。
直近では令和2年(2020年)の11月に発表されています。
概要欄にリンクを貼っておきますので、
詳細を知りたい方は概要欄をご覧下さい。
この中で特に力を入れて調査を行っている法人を公表しています。
具体的に3つあるので、お話します。
まず消費税還付法人といって、消費税を支払ったのではなく、
消費税を還付といって返してもらっている法人があります。
消費税の還付法人は、
国内の売上を海外の売上と偽装したり、
架空の国内仕入を計上したり、
高額な固定資産の購入を偽装したりして、
消費税を不正に還付請求していることがあります。
海外取引を行っている法人も注目されています。
海外取引法人の中には
海外の売上を海外口座に隠して、
申告しなかったりする法人もあります。
このような場合、海外の税務当局からの情報提供で
売上除外が発覚したりします。
最後に確定申告をしていない法人です。
たとえ確定申告をしていなくても、
ネットなどで営業に関する情報を出来るだけ
収集して調査を行います。
営業時間やお店や利用者のSNSの情報から、
満席や長蛇の列ができているかどうかを確認して、
それなりの売上や利益があることを把握できます。
次に、売上・事業規模が大きい法人が狙われやすいです。
そもそも税務署は税務調査で税金をとりたいので、
税金が取れる可能性が低いところには行きたくありません。
なので、売上が低すぎるところには、
あまり行きたくないという気持ちがあります。
また通常売上が大きければ利益も大きくなります。
そして、このような利益の大きい法人ほど
支払う税金の額も大きくなってくるので、
できるだけ支払う税金は減らしたくなり、
中には脱税に手を染める法人も出てきます。
もちろん、税務署はそんな心理はお見通しです。
特に売上が増えているのに利益が増えていない、
なんて状況だと疑いの目はかなり強くなります。
先程売上や利益が大きい会社が狙われやすいと話しましたが、
「大きいとはどれくらいの金額から」という基準は
地域によって異なってきます。
例えば年商2〜3億円の会社があったとします。
これが例えば東京23区や政令指定都市などが所在地であれば、
年商数億円規模の会社は他にもたくさんあります。
当然売上や利益の規模では目立ちにくいので、
税務調査でも狙われにくくなります。
逆に会社もほとんどないような田舎に行った場合はどうでしょう。
法人の数も少なく、売上や利益の大きい法人はさらに少なくなります。
そのような地域だと同じ事業規模だとしても当然都会よりも目立ちます。
そのため田舎で起業した人は、
都会よりも税務調査の確率はあがることになります。
次は経費が急増している場合です。
まず、税金を減らすためには、
売上を減らすか経費を増やす必要があります。
年末近くに利益が予想より大きくなっていたりすると、
慌てて利益を減らして税金を減らそうとする方が多いです。
経費を増やして節税しようとするのですが、
なかには、
ありもしない外注費やコンサルティング費用を
捏造して脱税する法人もあったりします。
このような不正をすると経費の急増となって、
決算書に反映されます。
そのため、経費が急増している決算書をみると、
税務署も「不正に手を染めたのでは?」と疑うことになります。
また単純に経費が増えているかどうかだけでなく、
「同業他社」と原価率や経費の割合などを比較して、
不正を行っていないか、というチェックも行っていたりします。
次に個人事業主にはなくて、法人だけの話なのですが、
「役員借入金」という勘定科目が増えたという場合があげられます。
役員借入金とは会社が社長から借り入れているお金のことです。
社長の立場から考えると、社長が会社に貸しているお金ということになります。
よくある脱税の手口で、取引先にお金を支払い、
取引先から社長個人にお金をキックバックしてもらう
というものがあります。
すると社長のポケットマネーが増えて、
決算書にのらないお金が生じます。
このお金を事業に使う場合には、
社長は法人の口座に入金する必要があります。
そしてこのような取引を行うと「役員借入金」が増えるので、
役員借入金が増えている場合、
税務署に不正行為を行っていると見られることがあります。
次に取引先に税務調査に入ることがきっかけで、
税務調査で狙われやすくなることがあります。
たとえば仕入先や得意先に税務調査が入り、
何か怪しい取引が見つかったとします。
そしてその取引相手が自分の会社だった場合、
当然自分の会社も、
税務調査の対象になりやすくなります。
【副業Aさんの動画の紹介】
取引先の調査の結果、
副業での収入を申告していないことが
ばれてしまった事例について
「税務調査で狙われやすい個人事業主の特徴10選」
という動画内で解説しています。
概要欄にリンクを貼っていますので、
興味のある方はこちらの動画もご覧下さい。
次に狙われやすいのは、過去に税務調査が行われて、
そこで不正が見つかった場合です。
過去に税務調査が行われて追加で納税を行う場合、
修正申告というものを行って追加で納税を行います。
この修正申告自体はあまり問題とはなりません。
問題となるのは重加算税というものが
課されてしまった場合です。
重加算税は単なる経理のミスなどではなく、
仮装隠蔽行為を行った場合に課される税金です。
仮装隠蔽行為とは
あるものをないと偽ったり、
逆にないものをあるように偽装したりする行為です。
重加算税が課された履歴があると
税金を減らすために嘘をついている
納税意識の低い事業者と見られ
税務署からマークされてしまいます。
次に比較的新しい業種は注意が必要です。
最近だとITやインターネット関連、仮想通貨
などが該当します。
昔からある業種と異なり、
税務調査の担当官も新しい業種については、
知識のアップデートが追いついていないこともあります。
そのような場合だと勘違いなども起きやすく、
勘違いしたまま間違った訂正を求められたり、
税務調査の期間が長引くこともあったりします。
新しい業種については理解が難しいという前提のもと、
税務調査の際や事前のヒアリングがあった場合には、
丁寧に説明することが大事です。
次に現金商売も税務署は注意してみています。
税金を減らそうとするなら
基本的には売上を減らすか、
経費を増やすことになります。
最近ではクレジットやその他のキャッシュレス決済も普及し、
売上の記録はどこかに残っていることが多いです。
しかし現金売上の場合は外部に記録が残らないため、
売上を除外して、脱税をしようとする事業者が跡を絶ちません。
当然現金商売では売上除外による脱税が起きやすいことは、
税務署も分かっているので、
現金商売は税務調査で狙われやすいです。
次に売上1000万円弱、又は5000万円弱
がずっと続いている、
といった場合も税務署に狙われやすいです。
これは消費税が絡んできます。
ご存知の方も多いと思いますが、
消費税は売上が1000万円を超えるとかかってきます。
また、5000万円までは簡易課税といって、
人によっては消費税で有利になる制度があります。
そのため消費税の支払いから逃れたり、
消費税の支払額を少なくするために、
意図的に売上を除外したり、
調整しようとする事業主がいます。
意図的な調整を行うと長期間に渡って
売上が1000万円あるいは5000万円を
わずかに下回るという状態が継続します。
これは普通に考えてもらえば分かると思いますが、
何か特殊な事情がないのであれば、かなり不自然です。
このような不正が行われている場合、
もし売上除外を発見することができれば
所得税だけではなく、消費税も課税することができます。
つまり一度の税務調査で一気に所得税と消費税の課税が出来ます。
さらに、売上除外が経理ミスなどでなく仮装隠蔽と認定できれば、
重加算税も課すことが可能となります。
ここまで来ると1粒で2度、3度と美味しい税務調査になるため、
税務調査では狙われやすくなります。
最後に、税務署は決算書の変動を見て、
税務調査の対象を選んでいます。
そのため、変動が激しく怪しい動きのある勘定科目があると、
税務調査の対象になりやすくなります。
例えば外注費やコンサルティング費用が不自然に増えていると、
架空経費の計上が疑われることがあります。
買掛金や未払金が不自然に増えていると、
来季以降の経費を無理やり今期に押し込んでいないか?
と疑われたりします。
売掛金が大幅に減少していれば、
本来計上すべき売上を、来年度以降に先送りしていないか?
などの可能性が疑われます。
そして何かを疑われる訳ではないですが、
赤字から黒字に転換し、
過去の赤字を解消出来るほどの黒字が出ていれば
税務調査で税金がとれる可能性が出てくるため、
税務調査の対象になる確率があがります。
それでは本日のまとめです。
本日は税務調査で狙われやすい法人の特徴を
全部で11個お話しました。
国税庁が力を入れている取組があります。
直近では
消費税の還付申告法人、
海外取引法人
無申告法人
の3つに対して、力を入れています。
税務調査ではできれば追加で税金を取りたいので、
追加で税金を取りやすい、売上や利益が大きい法人が狙われます。
売上や利益が大きいかどうかには地域差があります。
都会では法人の数も多く売上や利益が大きい法人も多いです。
一方田舎だと少し売上が大きくなっただけで目立ちやすいため、
同じ規模の法人の場合は、田舎の方が税務調査の確率はあがります。
経費が増加している場合、
税金を減らすために不正に経費を増やしたのでは?
と疑われることがあります。
脱税行為を行って社長にポケットマネーが出来た場合、
それを事業に使うために会社に入金すると
「役員借入金」という勘定科目が決算書で増加します。
そのため、役員借入金が増えている場合、
この不正行為の影響ではないか?と考えられることがあります。
取引先に調査があり不正が見つかった時に、
相手先が自分の会社だと自分の会社も調査されやすくなります。
過去に不正行為を行っていた場合、
納税意識の低い法人と履歴が残ってしまっているため、
税務調査の対象に選ばれやすいです。
新しい業種の場合ビジネスの理解などで誤解が生じ、
間違った訂正を求められたり、調査が長引くことがあります。
現金商売は他の商売と異なり売上除外がしやすく、
そのことは税務署も注意して見ています。
消費税の免税や、簡易課税狙いで
売上が1000万円や5000万円にわずかに届かない
という状態が続いていると怪しいです。
最後に売上や経費に限らず、
売掛金や買掛金などの他の科目でも、
変動が激しい不審な勘定科目がある場合、
税務調査で狙われやすくなる、という話をしました。
公認会計士・税理士
節税会計士タッキー
大学在学中に公認会計士2次試験に合格。 BIG4と呼ばれる日本で最大手の監査法人に3年間勤務。 独立後はプログラミングを独学で勉強し、 ヤフー・アマゾン・楽天の商品の価格を比較する、 価格比較サイトを約10年にわたり運営。 現在では 「会計士・税理士としての会計税務の知識」と 「価格比較サイトを立ち上げ、 個人事業主と法人の両方で事業を行った経験」 をもとに、 父の会計事務所でも働きながら、 主に以下の事業を行っている。 ・税務コンサルティング ・社会保険料コンサルティング ・ウェブ集客コンサルティング 趣味は、ピアノ、筋トレ、プログラミング、短眠。 6歳年上の妻、小学生の娘、息子がいる。
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