こんにちは、節税会計士のタッキーです。
本日は「インボイス制度で損する人の特徴5選」
についてお話します。
インボイス制度で
フリーランスや個人事業主が損するって聞いたけど
そももそもインボイス制度って何?
損するってどういうこと?
と疑問に思っている方も多いと思います。
この動画を見ると
・インボイス制度とは何か?
・インボイス制度でどんな人が損するのか?
が分かるようになります。
初めにインボイス制度で損をするのはどんな人かですが、
今消費税のボーナスステージにいる人は損をします。
インボイス制度によって、
ボーナスステージがなくなってしまうかもしれないからです。
このチャンネルではアニメーションで
ビジネスや税金に関する話をしています。
ビジネスや税金でちょっと得する情報を解説しているので、
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インボイス制度は消費税に関する制度です。
なのでインボイス制度について説明する前に、
まずは消費税について簡単に説明していきます。
消費税を、みなさんはお店で商品を購入するときに支払っていますよね?
この支払った消費税は、どのようにして税務署に支払われていくのでしょうか。
消費税は間接税といって、消費税を負担するのは消費者ですが、
それを納めるのは事業、ビジネスを行なっている事業者です。
事業者は商品を売った時に、消費者から消費税を預かっています。
例えば税込み11000円の商品を販売した場合は、
事業者にとっての売上は10000円だけで、
残りの1000円は売上ではなく
あとで納めるべき消費税を一時的に預かっていることになります。
この商品を仕入先から仕入れた時は、
税込み7700円で仕入れていたとします。
その場合純粋な仕入は7000円で、
残りの700円は仕入ではなく、消費税の負担分となります。
そして納める消費税は、
商品を売り上げた時に預かった消費税1000円から
商品を仕入れる時に支払った消費税である700円を差し引いた
300円が納めるべき消費税になります。
これを図で表すとこのようになります。
まず商品を11000円で販売した場合は、
売上の金額は10000円で、預かった消費税が1000円となります。
しかしそのまま1000円が、納付すべき消費税となる訳ではありません。
事業者は仕入を行なったりするさいに既に支払っている消費税があるからです。
例えば先ほどの商品を、税込みで7700円で仕入れていた場合、
仕入の金額は7000円で、消費税700円を支払っていることになります。
今回のケースだと、
この預かった消費税1000円から、
先に支払った消費税700円を差し引いた
300円が納める消費税の金額となります。
次に課税事業者の判定についてお話します。
消費税は全ての事業者が納めなければいけない訳ではありません。
フリーランスや個人事業主、零細企業などは
大企業と違い経営するための体力が少ないです。
そのため消費税の導入時にいきなり消費税が発生すると
フリーランスなどの零細事業主の経営に、
大きな影響を与える恐れがありました。
そこで消費税の導入時に影響が出ないように、
一定の条件を満たした事業主については、
消費税の納税が免除されています。
この消費税の納税が免除されている事業者を
免税事業者といいます。
逆に消費税の納税を行う事業者のことは
課税事業者といいます。
この免税事業者になるか、課税事業者になるかは
色々な複雑な条件などがあったりするのですが、
かなり大雑把に言ってしまうと、
前々年(2年前)の売上高が1000万円を超えると、
消費税の納税が必要になります。
この影響はとても大きいです。
免税事業者は課税事業者と比べた場合、
とても有利なボーナスステージでビジネスをしているようなものです。
例えば商品やサービスを
11000円で販売している場合を考えてみます。
免税事業者の場合、
11000円のうち1000円は預かった消費税ですが、
それを税務署に納める必要はないので実質は全て売上となります。
つまり11000円の全てが利益となって手元に残ります。
一方課税事業者の場合はどうでしょうか?
11000円で売り上げたとしても、
そのうちの1000円はあくまで預かった消費税で
売上ではありません。
免税事業者はこの1000円の違いで利益を増やすことも出来ますし、
値段を下げて価格で勝負することも出来ます。
免税事業者の間はこの有利なボーナスステージで、
ビジネスの戦場を戦うことができるのです。
ここまで消費税について色々とお話しました。
インボイス制度は、この消費税に関連する制度です。
制度の開始は2023年の3月からが予定されています。
インボイスとは日本語で請求書のことで、
インボイス制度のもとでは
「適格請求書」という請求書を発行することになります。
適格請求書を発行するためには登録を行う必要があり、
登録を行えるのは課税事業者のみです。
免税事業者は適格請求書を発行することは出来ません。
インボイス制度が始まると、
適格請求書以外の請求書では、
消費税を支払ったということが認められません。
具体例を先程の図を見ながらお話します。
先程の例では
商品を11000円で売り上げたときに、
消費税1000円を預かっていました。
そしてその商品を7700円で仕入れた際に、
700円の消費税を事前に支払っていました。
そのため納めるべき消費税は
1000円から700円を差し引いた300円でした。
しかし、インボイス制度が始まると、
この700円の支払いは「適格請求書」でないと認められません。
適格請求書以外の請求書の場合だと、
7700円で商品の仕入を行なっていたとしても、
700円の消費税の支払いが認められません。
つまり預かった消費税1000円から700円を差し引くことが出来ず、
1000円がそのまま納めるべき消費税の金額となります。
このように適格請求書が発行されない場合、
支払いを行う側の
消費税の負担が増えることになってしまいます。
インボイス制度が始まると、
当然支払う側も出来得る限り
適格請求書を入手したいと考えるようになります。
適格請求書でない請求書しか入手できないと、
先程のお話のように、消費税の納税額が増えてしまうからです。
ここで適格請求書を発行できるのは課税事業者のみで、
免税事業者は適格請求書を発行することは出来ませんでした。
このような状況だと
免税事業者ではなく出来るだけ課税事業者と取引したい、
という事業主が現れてくるのも自然な流れだと思います。
つまり、インボイス制度が始まると、
免税事業者は仕事が減ったり、
インボイス制度を理由に
値下げ要求をされるようになることが考えられます。
ではインボイス制度が始まると、
どんな事業主が損をするか考えてみましょう。
まずそもそも課税事業者は
適格請求書を発行しますので関係ありません。
今回のお話は免税事業者のみが対象となります。
免税事業者とはどのような人かというと、
まずは売上の小さな事業主です。
先程の課税事業者の判定では
売上が1000万円を超えるか否かで
消費税の課税事業者になるか、
免税事業者になるかが判定されました。
次に起業直後や近年売上が増えた人も該当します。
さきほどの課税事業者の判定では、
現在の売上ではなく、前々年の売上高をもとに判定を行いました。
そのため現在売上が1000万円を超えていたとしても、
超えたばかりであればまだ免税事業者です。
次に売上を伸ばせない人、についてお話します。
先程お話したようにインボイス制度は今すぐ始まる制度ではなく、
2023年の3月開始予定です。
また免税事業者や、
免税事業者から仕入れを行なっている事業主が
いきなり大きな不利益を被らないように
経過措置も設けられています。
具体的には支払った消費税の100%が
制度開始時にいきなり認められなくなるのではなく、
2026年の9月までは
適格請求書がなくても8割までは支払ったと認めてあげるよ。
さらにその期間を過ぎても2029年の9月までは、
5割までは支払ったと認めてあげるよ、
ということになっています。
この経過措置期間中に
売上が1000万円を超えて課税事業者に入る事業主なら、
インボイス制度の影響も少ないです。
インボイス制度が始まると、
誰に頼んでも同じ仕事をしている人の場合、
支払う側も、課税事業者を選ぶので、
取引が無くなってしまう可能性があります。
一方、他の誰にも出来ない仕事をしていたり、
「◯◯さんだから仕事をお願いしている」
という状況の方は
例え適格請求書を発行していないとしても、
取引が打ち切りになるリスクは少ないです。
最後に交渉が得意でない人も損をします。
今回のインボイス制度がスタートすると、
免税事業者は取引先から値下げ交渉をされることが想定されます。
「消費税分の負担が増えるんだから、その分値下げしてよ」
「今まで免税事業者でいい思いしてたんだから、その分今回は譲ってよ」
などと言われたときに、
「では値下げの代わりにこんなサービスをつけますよ」
と臨機応変に対応したり
「他にも高く買ってくれる人がいるから、販売先を変更する」
などの強気の交渉ができれば良いですが、
なかなかそれが出来る免税事業者の方は多くなく、
取引先との交渉が不得意な方や
そもそも交渉できる状況にない方は、損をする可能性が高いです。
それでは本日のまとめです。
本日はインボイス制度で損する人についてお話するために、
まずは消費税の計算方法についてお話しました。
消費税の支払額は
預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算します。
ここでインボイス制度が始まると
課税事業者は「適格請求書」の発行が求められるようになり、
この適格請求書の発行がないと、支払った側は
消費税の支払いが認められなくなります。
つまり納めるべき消費税を計算するさいに、
支払った消費税を差し引くことが出来なくなってしまうので、
消費税の負担が増えることになります。
ここで免税事業者は「適格請求書」の発行が出来ません。
そのため支払い側も
「適格請求書」を発行できない免税事業者ではなく
出来るだけ「適格請求書」を発行できる、
課税事業者を取引先に選ぼうとします。
免税事業者はインボイス制度で損する可能性がありますが、
免税事業者の要件の1つ目が売上高が小さいことです。
免税事業者の判定基準では、
具体的には1000万円以下が対象です。
次にこの売上高の判定は前々年の売上高で判定するので、
起業直後や近年売上が増えた場合も、
免税事業者に該当する可能性があります。
また今回のインボイス制度は経過措置があるので、
経過措置期間内に売上が伸びて
課税事業者になる人は影響が小さい一方、
売上を伸ばせずに免税事業者のままの人は、
インボイス制度の影響を大きく受けることになります。
免税事業者のままインボイス制度が始まったとしても、
あなただけにしかできないオンリーワンの商品やサービスなら
取引先はあなた以外の課税事業者に乗り換えることが出来ませんが、
他の誰かで代替できてしまう商品やサービスなら、
簡単に取引を失ってしまいます。
またインボイス制度が始まると、
多くの免税事業者は値下げ交渉にさらされます。
ここで取引先との交渉が苦手な方は、
より大きな損をしてしまう可能性が高いです。
今回の動画は以上になります。
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宜しくお願い致します。
今回も最後までご視聴頂き、ありがとうございました!
公認会計士・税理士
節税会計士タッキー
大学在学中に公認会計士2次試験に合格。 BIG4と呼ばれる日本で最大手の監査法人に3年間勤務。 独立後はプログラミングを独学で勉強し、 ヤフー・アマゾン・楽天の商品の価格を比較する、 価格比較サイトを約10年にわたり運営。 現在では 「会計士・税理士としての会計税務の知識」と 「価格比較サイトを立ち上げ、 個人事業主と法人の両方で事業を行った経験」 をもとに、 父の会計事務所でも働きながら、 主に以下の事業を行っている。 ・税務コンサルティング ・社会保険料コンサルティング ・ウェブ集客コンサルティング 趣味は、ピアノ、筋トレ、プログラミング、短眠。 6歳年上の妻、小学生の娘、息子がいる。
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