こんにちは、節税会計士のタッキーです。
今日は
「【会計士が徹底解説】会計士と税理士の違いと特徴は何?」
についてお話します。
会計系の最難関の資格とされている、
公認会計士と税理士の資格。
今どちらの試験を受けようか悩んでいる方は
「どちらの方が自分に向いているか?」
気になりますよね。
また起業して税理士や会計士の肩書を持つ人と
付き合いがはじまり、
「そもそも会計士と税理士の違いって何?」
と気になっている方もいるかと思います。
この動画を見ると
「会計士と税理士の違い」
資格取得を目指す方は
「どちらが向いているか」
が分かるようになります。
最初に会計士と税理士の違いの
大まかなイメージですが、
特に受験に関しては、
童話「うさぎとかめ」に例えると、
上手く説明出来ます。
会計士と税理士の違いや特徴が
「うさぎとかめ」ってどういうこと?
これから動画内で解説していきますので、
会計士と税理士の違いや特徴を知りたい方は、
ぜひ最後までご覧ください。
まず会計士も税理士も国家資格です。
独占業務という、
その資格を持っていないと
出来ない仕事があります。
大きな会社は、
どれくらい儲かっているか、
どれくらいの資産を持っているか、
というのを決算書(財務諸表)
というものを作成して、公表しています。
この決算書(財務諸表)が
間違っていないか、正しく作られているか
をチェックするのが監査というお仕事です。
「1、税務代理」
1つ目は税務代理です。
税務署などに何かを申請・申告したり、
税務署等とのやりとりを代行することができます。
「2、税務書類の作成」
2つ目は税務署類の作成です。
確定申告書などの書類を、
納税者に代わって代理で作成することが出来ます。
「3、税務相談」
3つ目は税務相談です。
税務相談は納税額の計算や節税の方法について、
相談を受けることです。
ちなみに会計士の仕事は有償独占業務、
税理士の資格は無償独占業務といいます。
有償独占業務とは、
資格を持っていないとお金をとって
その仕事を出来ない業務のことです。
一方、無償独占業務とは、
たとえお金をとっていないとしても、
やってはいけない業務です。
そのため「友達の税金の相談を受ける」などは
たとえ無料であっても税理士法違反
になることがあるのでご注意ください。
またそれぞれの独占業務の違いから、
主なクライアント(顧客)も
異なってきます。
税理士の仕事の1つである
税務相談や確定申告の代行は、
個人事業主や小さい会社でも必要です。
むしろ小さい規模の事業主の方が、
税金についての知識も少ないことが多く、
税理士を必要としています。
一方会計士が行っている監査という仕事は、
基本的には上場企業などの大企業以外では、
行われていません。
そもそもなぜ監査という仕事があるかというと、
会社が作成した決算書(財務諸表)を
株主などの投資家や銀行などの債権者を含めた
利害関係者が安心して利用できるようにするためです。
例えば投資家が決算書(財務諸表)を見て、
「売上が今年は◯億円増えたのか」
「だったら投資してみようかな」
と考えたり、
債権者がお金を貸すときは
「毎年◯億円の利益が出ている」
「現金も◯億円も持っている」
「だったらお金を貸しても大丈夫かな」
と考えたとします。
この時、もし決算書が間違っていたら
大変ですよね。
間違った情報をもとに
間違った判断をしてしまうことになります。
そうならないように
会社が作成した決算書(財務諸表)が
間違っていないかどうかをチェックして
問題がなければ
「間違ってないから安心して使って大丈夫だよ!」
と言ってあげたり、
逆に問題があったのなら
「ちょっと◯◯に問題があるから、気をつけて使ってね」
などと意見を表明するのが監査業務です。
大きい会社だと投資家や債権者の人数も増え、
金額も大きくなります。
そうなると決算書が間違っていた時の
社会的な影響が大きくなるので、
大きな会社には「監査」を受けることが
義務付けられています。
今お話したように
税務の知識は
特に中小の事業主に特に求められています。
一方監査の証明業務は、
社会的な影響の大きな大企業に必要です。
このような違いから、
税理士の顧客は中小規模の事業主が多く、
会計士のクライアント(顧客)は
大企業が多いということになります。
次に会計士と税理士になるための、
受験制度の違いについてお話していきます。
ここで一番最初にお話した、
「うさぎとかめ」のお話が出てきます。
例えるならば
会計士受験は「うさぎ」
税理士試験は「かめ」
です。
会計士受験は短期集中で一気に勉強して、
短い期間で合格まで走り抜ける短距離走です。
一方税理士試験は長期間コツコツと勉強し、
少しずつ税理士合格に近づいていく長距離走です。
会計士試験はうさぎのスタイル、
税理士試験はかめのスタイルで
合格まで勉強するイメージです。
それでは実際の受験制度について、
詳しくお話しする前に、
会計士試験と税理士試験について、
ざっくりと特徴をお話したいと思います。
まず公認会計士試験は先程お話したとおり、
うさぎのイメージです。
2〜3年間の短期決戦で、
学生などの時間がある方に有利です。
2020年の合格率は10.1%でした。
大学生でなくても、
大学卒業後に就職せず受験に専念する方、
社会人だったとしても一度会社を退職し、
受験に専念する方が多いです。
試験に合格し実務経験も積み会計士登録を行うと、
税理士としても登録できるようになります。
合格者の平均年齢は25.5歳で
10代と20代で合格者の82.8%を占めます。
一方税理士試験はさきほどお話した
カメのイメージです。
税理士試験は法人税・所得税など様々な科目があり、
全部で5科目に合格する必要があります。
しかし1年に1個ずつ合格していき、
5年間で全科目に合格する、といったことも可能です。
そのため、受験に専念している方だけでなく、
社会人で働きながら受験している方も多いです。
受験の平均年数も長く、
3年以内に税理士になれる人はほとんどいません。
5年〜10年くらいかかる人が多いですが
10年以上かけて合格する人が
全体の3割以上もいます。
各科目の合格率は
10〜15%前後です。
それでは次に、
会計士試験と税理士試験について、
細かく中身を見ていきたいと思います。
まずは受験資格についてお話します。
まず税理士試験は誰でも受験できる訳ではありません。
受験要件を満たした人のみ受験することが出来ます。
受験資格を得るには色々な方法があります。
国税庁のホームページに詳細が載っていますので、
詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm
いくつか例をあげると
例えば法律学・又は経済学の単位を取得して、
大学等を卒業している人
日商簿記検定1級合格者
会計に関する2年以上の実務経験を有する人
などは税理士の受験資格を有しています。
一方、会計士には受験資格はあるのでしょうか?
税理士試験に受験資格が定められているので
「会計士も日商1級に受からないと受験できない」
などと勘違いしている方もたまにいるのですが、
会計士には受験資格は特にありません。
僕が受験した時には受験には条件があったのですが
現在は誰でも受けることが出来ます。
実際に、会計士試験の合格者には
現役の高校生もいたりします。
次に会計士試験と税理士試験の
試験科目と試験制度についてお話していきます。
まず公認会計士試験制度から説明します。
TACから引用
https://www.tac-school.co.jp/kouza_kaikei/kaikei_cpa/summary.html
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験に分かれています。
年2回実施される短答式試験に合格すると、論文式試験に挑戦できます。
論文式試験は年に1回実施されます。
そして論文式試験に合格すると「公認会計士試験合格者」になります。
実は会計士試験に合格しただけでは、会計士にはなれないのです。
公認会計士試験に合格した後に、
これからお話する3つの要件を満たして、
初めて公認会計士と名乗ることができるようになります。
「1、2年以上の業務補助等」
1つ目が2年以上の業務補助です。
多くの合格者は監査法人に就職し、
2年以上監査実務に携わることでこの要件を満たします。
「2、補習所での単位取得」
2つ目が補習所での単位取得です。
公認会計士試験合格者は実際に監査等の業務に従事するだけでなく、
補習所というところに通い、単位を取得する必要があります。
一般的には論文式試験に合格後から3年間、
監査法人等で働きながら補習所に通うことになります。
「3、修了考査」
3つ目が終了考査です。
補習所で規定の単位を取得し終わると「修了考査」を受験できます。
修了考査の合格率は10年以上70%前後が続いていたのですが、
令和元年度の試験では45%まで低下しています。
それでは会計士試験ではどんな勉強をする必要があるか、
短答式試験と論文式試験での受験科目について解説していきます。
【短答式】
まずは短答式試験についてお話します。
短答式試験はマークシート方式で、
1日ですべての科目の受験が完了します。
短答式試験は通常、12月と5月の年2回あります。
ただしコロナの影響により
令和2年は短答式試験は1回のみの実施でした。
今後も変更の可能性があるのでご注意ください。
短答式試験の実施科目ですが、
・企業法(100点満点・60分)
・管理会計論(100点満点・60分)
・監査論(100点満点・60分)
・財務会計論(200点・120分)
の4科目です。
ただし財務会計論の中には
簿記と財務諸表論の2つが入っており、
配点も2倍となっています。
そのため財務会計論は
簿記と財務諸表論の2科目と考えて、
実質は5科目を勉強する必要があります。
短答式試験に一度合格すると、
2年間は短答式試験は免除になります。
その年の論文式試験に落ちたとしても、
翌年と翌々年の2年間は短答式試験を受けずに、
論文式試験からスタートできるのです。
つまり一度短答式試験に合格すると、
3回まで論文式試験にチャレンジすることが出来るのです。
もし3回とも論文式試験に落ちてしまうと、
また短答式試験からやり直しとなります。
【論文式】
次に論文式試験についてお話します。
論文式試験は年に1回、8月に行われています。
論文式試験は短答と異なり記述式です。
朝10時半から夕方5時くらいまで、
ほぼ丸一日かけての試験が3日間続きます。
ただし、
令和2年はコロナの影響で例外として、
試験は11月に、2日間かけて行われました。
今後もコロナの状況により変更される可能性があるので、
受験予定の方はご注意ください。
論文式試験の実施科目ですが
1日目
監査論(120分・100点満点)
租税法(120分・100点満点)
2日目
管理会計論(120分)
財務会計論(180分) 合計で300点満点
ここで財務会計論には
簿記と財務諸表論の実質2科目が含まれているのは
短答式と同じです。
3日目は
企業法(120分・100点満点)
選択科目(120分・100点満点)
となっています。
選択科目には、
・経営学
・経済学
・民法
・統計学
の4つがあります。
しかし経営学の勉強の負担が他の科目と比較して少ないことから、
8割以上の方が経営学を選択します。
僕が受験した当時は選択科目が2つあり、
経済学と経営学を選択しました。
経営学で学んだことは監査法人を退職して
起業した時にも役立つことが多かったです。
また最近投資でよく言われるインデックス投資の話なども、
経営学で現代ポートフォリオ理論で学んだりします。
ボリュームが少ない割に
実生活でも役立つ知識がたくさんあるのが経営学です。
個人的に経営学は、
ローコストでハイリターンを得ることができる、
超コスパのいい科目だと思っています。
税理士試験の詳細についてお話していきます。
税理士試験は、8月に3日間、行われます。
そして、
必須科目2科目
選択必須科目2科目
選択科目7科目
の合計11科目の中から5科目に合格することで、
税理士試験の合格となります。
必須科目は簿記論と財務諸表論の2つで、
この2つはどちらも合格することが必須です。
次に選択必須科目は法人税法と所得税法の2つです。
このうち最低でもどちらか1つには合格することが必要です。
中には両方受験する方もいますが勉強ボリュームが多いことなどから、
どちらか一方のみ勉強する方が多いです。
選択科目は7科目あります。
具体的には
相続税
消費税
酒税法
国税徴収法
住民税
事業税
固定資産税
の7科目です。
税理士試験と会計士試験の大きな違いは科目合格制度であり、
税理士試験では一度に5科目すべてを受験する必要はなく、
受験するのは1科目だけでも構いません。
また、1度合格した科目は一生有効です。
ただし科目を絞って勉強することになるので、
1つ1つの科目の合格自体も難しくなります。
それに対して会計士試験は、
基本的にはすべての科目を一発で合格する必要があります。
会計士にも科目免除という
税理士試験の科目合格に似た名称の制度があるのですが、
税理士試験の科目合格とは似て非なる制度です。
まず、科目免除の有効期限は2年間です。
税理士試験のように一生有効という訳ではありません。
また会計士試験は全科目の総合点で
合否が判定されます。
なので科目合格できるような得意科目を免除申請すると、
不得意科目ばかりになり全体での得点力が下がってしまいます。
そのためいくら受験勉強の負担が減るとしても、
免除するかどうかは慎重な判断が必要になります。
これらのことから基本的には
会計士試験はすべての科目に一発で合格する、
短期集中型の試験
税理士試験は自分の確保できる勉強時間にあわせて
1個ずつ科目を合格していき最終的な5科目合格を目指す、
マラソン型の長距離試験
ということが言えます。
そして、
短期集中で全科目一発合格を会計士試験、
1科目ずつコツコツ合格を目指す税理士試験
このことから以下のような違いが出てきます。
まず会計士試験はやはり、
大学生や会社を一度退職して受験に専念する人が
有利になってしまうのはどうしても否めません。
社会人で働き続けながら合格を目指すのは、
かなり厳しいものがあると思います。
その代わり集中して勉強時間を確保できるなら、
最短1年でも合格可能なのが会計士試験です。
もし社会人で受験を希望する方は
まずは働きながら短答式の合格を目指す。
そして短答式試験に一度受かったら
3回論文式試験にチャレンジできます。
短答式試験に合格した場合は一時的に休職するなどして
短期での論文式合格を目指す
という方針もありかと思います。
逆に1年で合格などありえないのが税理士試験です。
5科目すべて一度に合格などは基本的にありえず
この何十年間の間で1人とか、そういうレベルです。
直近だと平成23年に1人。
そのまえだと平成6年に遡ります。
もし
・とにかく早く合格したい
・時間はたっぷりとれる(大学生など)
・会計士と税理士で迷っている
という場合は、
会計士試験の方が向いているかもしれません。
逆に何年かかってもコツコツと努力し続けられる、
マラソンのような持久力がある方。
そのような方であれば、
働きながらでも受験しやすいのが税理士試験です。
それでは本日のまとめです。
今日は会計士と税理士の違いや特徴について、
仕事内容(独占業務)、クライアント、受験制度
の3点で比較してお話しました。
仕事内容の違いは会計士は監査という
財務諸表をチェックし正しいかどうかの証明
をする仕事をしていて
税理士は税金に関する
相談や代行を行うのが仕事です。
財務諸表のチェックや証明が必要なのは
利害関係者が多く、金額の影響も大きい
大きな会社が中心です。
そのため会計士の仕事は
大企業がクライアント(お客様)になります。
一方、税金に関しては
大会社・中小企業などの会社の規模によらずに、
相談や代行業務が発生します。
そして大企業よりも中小企業の方が
税金の知識も少なく、また経理に人員もさけません。
そのため税理士の仕事は
個人事業主や中小企業がクライアント(お客様)
になることが多いです。
最後に受験制度に関してですが、
動画の一番最初で
童話「うさぎとかめ」に例えた話をしました。
会計士試験は例えるならうさぎです。
試験は基本的に一発合格なので短期集中型。
うさぎのようなタイプの人が向いている試験です。
いっぽう税理士試験は例えるならカメです。
動画の中で紹介したように、
試験1回の短期一発合格などはほぼありえません。
1つ1つの科目をコツコツ合格していく必要があり、
カメのように着実に努力を続けられる人が向いている試験です。
この動画をみた方が
少しでも会計の世界に興味を持っていただけると嬉しいです。
本日も最後までご視聴頂きありがとうございました!
公認会計士・税理士
節税会計士タッキー
大学在学中に公認会計士2次試験に合格。 BIG4と呼ばれる日本で最大手の監査法人に3年間勤務。 独立後はプログラミングを独学で勉強し、 ヤフー・アマゾン・楽天の商品の価格を比較する、 価格比較サイトを約10年にわたり運営。 現在では 「会計士・税理士としての会計税務の知識」と 「価格比較サイトを立ち上げ、 個人事業主と法人の両方で事業を行った経験」 をもとに、 父の会計事務所でも働きながら、 主に以下の事業を行っている。 ・税務コンサルティング ・社会保険料コンサルティング ・ウェブ集客コンサルティング 趣味は、ピアノ、筋トレ、プログラミング、短眠。 6歳年上の妻、小学生の娘、息子がいる。
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