こんにちは、節税会計士のタッキーです!
今日は持続化給付金の不正受給がなくならない理由について、
節税会計士タッキーが会計士の目線からお話します。
営業自粛や時短営業、その他新型コロナウイルスの感染症拡大により、
多くの事業主が売上が減少し事業の継続が困難になっています。
そのような事業主にとって、事業の継続を支え再起の糧となり
事業全般に使える給付金である持続化給付金はとても有り難いものです。
一方、この制度を悪用し、持続化給付金を不正に受給したとして、
全国で逮捕者が相次いでいます。
ではなぜ、これほどまでに持続化給付金の不正受給が行われているか、
それについて本日はお話していきます。
この動画を見れば、なぜ持続化給付金の不正受給がこれほど多く行われているのかについて、理解することが分かります。
最初に結論からお話すると、これほどまでに持続化給付金の不正受給が行われてた理由は、できるだけたくさんの事業主を助けたいからです。
経済産業省のHPを確認すると、持続化給付金は2021年2月8日時点で
給付件数が約420万件、給付額が約5.5兆円となっています。
その一方で返還された実績も発表されており、2021年2月11日時点で
返還件数が9924件、返還額が106億円にもなっています。
これは自主的に返還された件数・金額であり、間違いによる申請の自主返納の他、
不正受給が発覚する前に自主返納をした件数も、相当数あるはずです。
なぜこのように大量の自主返納が行われているのでしょうか。
それは不正受給で逮捕者が出て大きく報道されている影響が大きいです。
2020年7月22日、別事件の捜査の過程で男子大学生の容疑が浮上し、この男子大学生が持続化給付金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕されました。これをきっかけに全国で持続化給付金の不正受給での逮捕者が続出しています。
逮捕されているのも大学生やコンサルタントから、中には税理士や国税OBもいて、さらには現役の税務署職員までもが逮捕されています。
警察庁のまとめによると、昨年12月24日時点で全国の警察に279人が摘発されています。
ここからは実際に逮捕された不正受給の例をいくつか紹介します。
https://www.sankei.com/premium/news/210214/prm2102140006-n1.html
2021年1月、オンラインカジノを運営し、都内の高級マンションに住んでいた詐欺グループの指南役が逮捕されました。不正受給は組織的に行われており、不正受給をするために必要な個人事業主を偽装する書類等はすべて指南役が用意し、名義貸しをしてくれる人物を集めるように詐欺グループのメンバーに指示。名義を貸した人物には報酬数万円を支払っていたようです。
この詐欺グループでの被害額は千数百万円とみられていますが、指南役は同様の詐欺の手口を他の複数の人物にも指南していて被害総額は計3億以上と見られています。
次に、大阪国税局OBの税理士が逮捕された事例です。
今は税理士を廃業しているため元税理士ですが、不正受給の指南を行っているときは驚くべきことに現役の税理士でした。
この元税理士は自身が経営していた事務所スタッフや親族を個人事業主と偽り持続化給付金の不正受給の疑いが持たれています。
また顧問先企業などに対してもメールなどで「持続化給付金の支給条件に該当しなくても調整する」などと勧誘も行っていました。
この税理士事務所による持続化給付金の申請額は合計4億3700万円で、このうち少なくとも1億700万円は不正受給と見られているとのことです。
通常詐欺を行う場合詐欺の指南役の名義で申告を行うことはありません。
実際に詐欺グループは書類の作成は行うが、自己の名義で申請は行っていません。
なぜならあまりに大量の申請を同一名義で行うと
不審な点が目立ちやすいからです。
一方この税理士事務所はなぜか自己名義で申請を行っていたので、
とても目立っていたようです。
これらの持続化給付金の不正受給がばれる一般的なパターンは、
基本的にはタレコミと、ネット上で情報が残っている人たちです。
名義を貸した人や不正受給の勧誘を受けて不正受給をした人が
ニュースを見て警察に相談をしたり、
これらの勧誘をネットで行いネットにその履歴が残っていることから
逮捕に至っています。
そもそも持続化給付金はどのような制度なのでしょうか。
簡単に説明すると、
コロナにより売上が減少した会社や個人事業主は、
会社が最大で200万円
個人事業主が最大で100万円
を受給ができるという制度です。
過去の売上が大きく、コロナ後の売上減少が大きい
(つまりコロナの影響が大きい)ほど、多額の受給が可能となります。
そして持続化給付金の申請のためにはこの売上減少を証明するために、
・過去の売上を証明するために過去の確定申告書
・コロナ後の売上を証明するために売上台帳
を用意し、
その他必要な本人確認書類等を用意し申請すると、
持続化給付金の給付が行われました。
では不正受給の申請はどのような手口で行われたのでしょうか。
不正の手口は大きく分けて3つあります。
1つ目はそもそも事業を行っていなかったのに、事業を行っていたと偽装するケースです。
このケースでは学生や会社員、主婦等が実際には事業を行っていないのに、
過去の確定申告を虚偽の確定申告書を作成し提出します。
具体的には過去の売上実績を偽るために2019年分の虚偽の確定申告書を作成し、2020年分の売上を偽るために虚偽の売上台帳を作ります。
これにより実在していないコロナ被害にあった事業者が作られ不正受給が行われます。
このケースはそもそもビジネスを行っている実態がないため、
後に調査が入った際に発覚しやすいです。
昨年の売上を水増しするケース。
昨年の売上額だと持続化給付金の受給要件にあてはまらなかったり、満額を受給することが出来ない場合は、昨年の売上を水増しするケースもあります。
具体的には昨年度の確定申告について、売上を水増しした修正申告を税務署に提出します。そして単純に売上を水増しすると税金を余分に支払うことになってしまうので、その分だけ経費も水増しして計上し、修正申告を行うこととなります。
通常は①や②の期限後の申告や過去の確定申告の修正は目立ちやすいのですが、現在コロナ禍のため期限後の確定申告がしやすかったです。後ほどまとめますがこの状況も、不正受給が増えた原因となっています。
次に今年の売上を偽るケースがあります。売上が減少していることを偽るケースもあれば、売上を計上する月を本来の月からずらして、わざと受給要件にあてはまるようにします。
会計的には現金主義と発生主義のどちらの基準で売上台帳を作成するのか?などの難しい問題があるため、ここは見つかっても不正と認定するのは厳しいところかと思います。
また①〜③のあわせ技で、活動していなかった休眠会社を利用して、不正受給が申請されたケースもあります。
次に先程の不正受給ですが個人で行われているケースと、詐欺グループなどの組織が大々的に行っているケースがあります。そして最近話題になり警察に逮捕されているのは、個人で不正受給を行っているケースではなく組織が大々的に行っているケースの方です。組織が大々的に持続化給付金の不正受給を行う方法でよく行われる主な方法を2つ紹介します。
「持続化給付金もらえます」などとのうたい文句でインターネット上などで募集を行い、高額な手数料をもらうケース。
これはインターネットや口コミなどで募集が行われ、応募してきた人が持続化給付を100万円もらった場合に50万円などの高額な報酬を要求するケースです。
本来は事業者しかもらえない持続化給付金ですが「会社員や主婦、学生でももらえる」などと告知していたりしました。
名義貸しのアルバイトを募集、報酬を数万円程度支払う。
これは例えば銀行口座の開設などの闇バイトと同じように簡単にできるアルバイトとして募集を行うケースです。この場合だと持続化給付金はほとんどが詐欺グループに渡り、アルバイトとして名義貸しをした本人には数万円程度しか残らないケースもあります。
ではなぜこのように持続化給付金の不正受給は増え、逮捕者が続出しているのでしょうか?
通常このような給付金や補助金の申請には様々な書類の準備・提出が必要です。
色々なところから資料を集めたり、書類の作成に多くの時間が必要だったり、それこそ初めて申請するときは専門家に依頼しないと申請そのものが難しいものもあったりします。例えば経営計画書などが要求されることが多いのですが、初めて作成するときは難しいと感じる人も多いです。
しかし今回の持続化給付金は用意する資料も非常に簡素化されていました。
基本的には
・本人確認書類
・確定申告書
・売上台帳
・通帳コピー
これら4つの資料の用意だけでよく、またこれらの書類の用意は経営計画書などのように新しく何かの書類を作成するわけでもなく、特に難しいことはありません。
コロナ禍における持続化給付金以外の通常の給付金や補助金は、申請してから給付金の給付まで時間がかかるものが多いです。経営計画通りに支出が完了してから入金されるものなどでは、申請から入金まで半年以上かかったりするものもあります。
一方今回の持続化給付金は申請から入金まで概ね2週間で行うと事前に発表がされ、入金までの期間が圧倒的に短いです。このため審査も迅速に行うことが要求され、審査も形式的にならざるを得ませんでした。
補助金はお金がもらえるとしても、使用用途は限定されています。
また助成金は、例えば従業員がいて休業手当を支給したり、かなり厳しい条件を満たさないとお金がもらえません。
一方持続化給付金は使用用途は限定されておらず、また条件も厳しくなかったため非常に受け取りやすい給付金でした。
ではなぜ、こんな不正受給が起きやすい制度設計になっていたのでしょうか。
それは「できるだけ早く事業主を助ける必要があったからです。」
新型コロナウイルスの感染症は急激に拡大し、緊急事態宣言が発動され、事業主の売上は急激に減少しました。その結果どこも資金繰りが悪化し廃業や倒産の危機に見舞われました。このような状況では、迅速に事業主に現金の給付を行う必要がありました。
不正受給が行われないようにするために書類整備や審査に時間をかけることよりも、迅速に事業主に給付金の給付が行われることが優先されたからです。
事実持続化給付金が迅速に支給されたことにより、多くの事業主が救われました。
しかし助かった事業主が多くいる反面、不正受給も多く発生しました。
そのような詐欺グループは決して許されません。
また詐欺グループが行った詐欺行為はやっていなかった事業を
やっていたと偽るケースがほとんどのため、後ほど疑惑が生じた場合には、
非常に発覚しやすいです。
なぜなら事業が行われている際にその売上の金額や売上の時期をごまかすのと比べて、やっていないものをやっていると偽装する方が難しいからです。
もし今回の動画を見て、ひょっとしたら
「私も詐欺に加担してしまっていたかも」と思ったり、
「私の周りで詐欺をしている人がいるかも」と思った方は
相談センターがあるので相談センターに連絡してください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html(画像)
まだコロナによる経済・事業への影響は続いています。
コロナ対策として既に予定されている給付金や補助金もありますし、
また、これからも新たな給付金や補助金が発表されると思います。
そしてそのような大きいお金が動くときには、必ず詐欺行為も蔓延します。
お金を取られてしまうだけならまだしも、
今回のように気づかないうちに詐欺の片棒を担がされてしまう場合もあります。
今後十分に注意してもらいたいと思います。
最後に本日のまとめです。
本日は「なぜ持続化給付金の不正受給がこれほど多く行われているのか」について、お話ししました。
これほどまでに持続化給付金の不正受給が行われてた理由は、できるだけたくさんの事業主を助けたいために
・給付金の申請を簡単にし
・審査を形式化して簡略化し
給付金の迅速な支給を行うためでした。
これにより実際にたくさんの事業主が救われましたが、この制度の趣旨を悪用し、
詐欺グループが組織的に持続化給付金の不正受給を行っています。
また給付金を騙(かた)った詐欺も横行しています。
この動画を見ているみなさんも、
・お金を騙し取られたり
・知らぬ間に詐欺の片棒を担がされたり
そんなことがないように、くれぐれもご注意ください。
本日も最後までご視聴頂きありがとうございました!
今回の記事は以上になります。
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最後まで見て頂き、ありがとうございました!
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公認会計士・税理士
節税会計士タッキー
大学在学中に公認会計士2次試験に合格。 BIG4と呼ばれる日本で最大手の監査法人に3年間勤務。 独立後はプログラミングを独学で勉強し、 ヤフー・アマゾン・楽天の商品の価格を比較する、 価格比較サイトを約10年にわたり運営。 現在では 「会計士・税理士としての会計税務の知識」と 「価格比較サイトを立ち上げ、 個人事業主と法人の両方で事業を行った経験」 をもとに、 父の会計事務所でも働きながら、 主に以下の事業を行っている。 ・税務コンサルティング ・社会保険料コンサルティング ・ウェブ集客コンサルティング 趣味は、ピアノ、筋トレ、プログラミング、短眠。 6歳年上の妻、小学生の娘、息子がいる。
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